11月9日午後からクリーブランドでは,今年2度目の雪が降りました。
あっと言う間に大雪となったのですが,「どうということもないだろう」と思っておりました。ところが,夕食を済ませて一息ついたらいきなり停電。慌てて廊下に飛び出てみたのですが,誰も慌てる様子もなく,日本のようにすぐ回復すると思っていました。ところが,なかなか復旧しない。結局,翌日の午後1時まで停電が続きました。一時,晴れ間が見えたので「終わった!」とのんきに写真をとっている姿が最初の4枚の写真です。これから本番を迎えるとはつゆ知らず,雪をバックに微笑む愚かな2人の写真が下の4枚です。
この後,部屋に戻ってお茶を飲もうとしたら,また停電。夕方になっても復旧する見込みがありません。ひとまず冷凍食品を腐らせないようにと,夜9時になって電気が通じている数少ない地域に住んでいる友人宅に食料を避難させ,レンジを借りて夕食?(冷凍鯛焼き)をとりました。友人宅にいたのは,わずか30分。外に出てみると私の車はすっかり雪の中。前後の雪を振り払い,車を動かすまでが一苦労。いざ走り出すと,私の前を走る車がおしりをフリフリ走っています。視界はほとんどきかず,わずか10m先を見るのが一苦労。なんとか自分のアパートの前までたどりついたものの,入り口が雪に埋もれて見あたらない。「ここだ!あっちだ!」と入り口を探して,いざガレージ(インドアの地下駐車場)に車を入れようとすると,今度はカレージのドアをあけるための鍵穴が雪に埋もれて見あたらない。結局,この日も電気は復旧せず,真っ暗な部屋で懐中電灯の明かりを頼りに一夜を明かしました。
翌日(11日),午前中に一時電気が復旧。しかし,大雪警報が相変わらず出続けていたため,またの停電に備えて,電池や食料の買い出しに出かけました。この帰りから雪がひどくなり,夕方には,雪の重さか強風のためかわかりませんが,アパートの横に立っていたはずの高さ20数mの木が根本から裂けて倒れてしまいました。吹雪いて全く視界が利かなくなったと思ったら,5分後には晴れ間がのぞいたりとめまぐるしく気候が変化していましたが,視界がよくなった瞬間にアパート横の倒壊した大木を撮影したのが,一番下の写真です。
夕食後,案の定,また停電。さすがに3度目ともなるとだんだん慣れてきますが,いらいらはつのります。12日の朝方ようやく再復旧。新聞によるとこの日の夕方時点で未だ2万5千世帯が停電していたそうですが,我が家では,久しぶりに電気を使えるようになり,一安心しておりました。夜には,東京の会社まで国際電話をかけ,「ようやく騒動が収まったようだ」と伝えたのもつかの間,夜11時くらいになって再停電。さすがにうんざりしてきました。今度は約3時間で復旧しましたが,アパートのアラームが停電の度に鳴り出すため,何をしているわけでもないのですが,異常に疲れてしまいました。
13日には,学校へ登校しましたが,いまだ1万世帯近くが停電をしており,全世帯で電気が復旧したのは,この日の夜のようです。従って,一番ひどい人は,丸4日間電気のない生活を強いられたことになります。
クリーブランドのアパートの多くは,ガスがなく,実際,私のアパートもレンジや暖房が電気で動いています。ポンプで飲料水を汲み上げているところでは,電気がなければ,水も飲めないという状況になり,暖をとれない人間は,近隣の学校等に避難したようです。自家発電装置をもつHOTELはこの時期には珍しく満室だったそうです。
毎年,雪の多いクリーブランドですが,11月の積雪量としては統計上で歴代3位の大雪だそうで,異常な事態であったことは間違いないのですが,米国にきて早々に自然の厳しさを身をもって経験することとなりました。
W8/JM1SZY Akira Kumabe